【アメリカで出産体験記】無痛分娩|ミシガン大学病院
こんにちは、アメリカミシガン州で第一子を出産したつきユカです。
異国での妊娠・出産、不安ですよね…私の場合、初めての出産だったので更に不安でした。
この記事では、私の実際にミシガン大学病院(University of Michigan Von Voigtlander Women’s Hospital)で出産した経験をシェアしたいと思います。
病院の案内はこちらのYouTubeビデオで観られます。
陣痛から入院まで
陣痛が始まったので病院に電話
初めての妊娠だったのでイマイチ『陣痛』がどんなものかよくわかっていませんでしたが、予定日を2日過ぎた日の午後から、立っているのがつらいと感じるくらいの痛みが不規則に起き始めました。
晩御飯を食べるとだんだん痛みの頻度が増してきて、痛みの間隔を測ってみると10分を切っていました。
今日入院することになるかもしれないと思い、いつもより早めにシャワーを浴びて荷造りを終えてしばらくすると『おしるし』が出ました。
もともと病院には陣痛間隔が5分を切ったら電話するように言われていましたが、その日は氷点下15℃を下回るような寒い日で、深夜に慌てて病院に向かうのも怖かったので早めに電話することにしました。
バースセンターに電話するとナースが応対してくれ、陣痛が来ておしるしもあったことを伝えると「ドクターから折り返すから待ってて」と言われ、一旦電話を切りました。
そのまま40分経過…。伝わってたかな、大丈夫かなと心配していた時にドクターから電話がありました。
ドクターからの折り返しの電話には通訳の人も入った3者回線になっていました。
「本当は5分を切ってから入院だけど、おしるしがあったとのことで破水していないか念の為確認したいから今から来てほしい」と言われたので病院に向かいました。
病院に到着後、検査を受ける
まず、検査を受けるために診察室に案内されます。(部屋は狭いので無理に入院用の荷物を全部持ってくることはないかもしれません)
ドクターが部屋に入ってくるタイミングで、通訳さんと電話が繋がっていました。
何も言わないと、ドクターはまず電話に向かって話してそれを通訳さんから聞くことになり、時間がかかります。私たちはわからないところだけサポートをお願いして、通訳さんには基本的に黙って待機してもらうスタイルにしました。(気づくと、いつの間にか電話が切れていました笑)
検査結果に問題はなく、ドクターからは「破水もしていないし子宮口がまだ2cmしか開いていないから、家に帰ってもいいしこのまま入院しても良い」と言われました。
家が車で50分くらいの距離で、既に夜の11時を回っており寒い中運転したくないという思いもあり、迷わずそのまま入院することにしました。
個室の分娩室の準備ができるまで30分弱待ち、移動しました。
院内はすごく広くて部屋がたくさんあったので、付き添いの方が仕事などで部屋を離れる場合は部屋番号を忘れずに!
ちなみに検査を受けるタイミングから着ている服は全部脱ぎ、病院で用意されたガウンと使い捨てパンツに着替えました。
退院までこのスタイルだったので、妊婦さんの着替えは退院時の分だけで良さそうです。
時間外に病院に着いた時には正面玄関でバレーパーキングを利用が前提になっているようです。
私たちは普通に立体駐車場に行ってしまい、本来は連絡通路が施錠されている時間だったので病院に入れないところでしたが、たまたま病院から出てくる人と同じタイミングで中に入れました。
ただ、バレーパーキングを利用しなかったせいで、バースセンターに連絡が行っておらず案内が少し混乱しました。
個室の分娩室へ移動
ミシガン大学病院では、分娩室は全て個室です。
分娩室に移った時には既に夜の11時半を過ぎていましたので、少し暗い写真ですみません。
私も夫も興奮状態にあったのか、普段だと寝る時間でしたがあまり眠くなく部屋でYouTubeを観ながらリラックスして過ごしました。
↓荷物が散らかっていて恥ずかしい限りですが、ソファベッドとほぼフルフラットになるリクライニングチェアがありました。
シーツや枕も用意してあったので、付き添いの方はここで寝ることができます。(夫によると、この日は寒かったのもあり、窓際は冷えたそう)
ビジネスホテルくらいのクローゼットもあるので、嵩張るコートや鞄は閉まっておけます。
ただし、ハンガーがなかった;
3種類のアロマオイルとボディーローションが置いてありました。キーボードは何に使うのかよくわかりませんでしたが、おそらく部屋に備え付けられていたテレビと連動しているのかな?
トイレとシャワーも部屋についています。
持ち物リストにヘアドライヤーが記載されていたのは知っていましたが、どうせ貸してもらえるだろうと思い持っていきませんでした。
でも、実際に貸してもらうことはできなかったのでシャワーを浴びたい人ドライヤーを持って行ってください!(分娩後に移動する部屋にはシャンプーやボディソープが置いてありました)
その他、冷蔵庫もありました。
また部屋には伝達用のホワイトボードがあり、お産の進行状況を記載したり私たちが提出したバースプランを掲載してくれていました。
麻酔の前に試したもの
もともと無痛分娩(=硬膜外麻酔)を希望していましたが、麻酔を打ってしまうと下半身はほぼ動かなくなり、寝たきりになって食べるものも制限されます。
そのため、麻酔を打つタイミングは妊婦さん自身で決めることになります。
私は陣痛感覚がまだ長く、痛みも耐えられるくらいの時にはNoxガスを使った痛み逃しを試しました。
陣痛が来たタイミングで最低15秒吸うとピーク時の痛みが緩和されるものですが、めまいを感じます。
深夜1時から1時間くらいNoxガスを使っていましたが、効かなくなってきたのでナースコールをして硬膜外麻酔を打ってもらうようにお願いしました。
硬膜外麻酔を打つ(無痛分娩)
15分ほどしてから麻酔科医が部屋に到着しました。3,4人で来てくれたと記憶しています。
あらかじめクリニックで硬膜外麻酔の同意書は記入していましたが、改めて注意事項に同意しなければなりません。(そういう決まりのようです)
同意書の内容をドクターが読み上げるのですが、陣痛が来るたびに痛くて話に集中できないので中断して時間がかかりました。
もう少し前にお願いするんだった…
私は通訳なしでも時間がかかってきつかったので、電話の通訳を挟んだ場合はもっと時間がかかると思います。
痛過ぎて結局何時に麻酔を打ってもらったのか覚えていませんが、深夜2時過ぎに麻酔科医が到着して、完全に麻酔が効いて痛みを全く感じなくなったのは3時半でした。
痛みを感じなくなり寝れるようになったので寝ますが、1時間ごとに麻酔の追加や30分ごと?に血圧のチェックをするためにドクターやナースに頻繁に話しかけられるので、連続では寝られません。
また、麻酔を打つと透明なものしか食べられなくなります。
麻酔を打っていてもお腹は空くので、カロリーを摂取するためにナースに頼んでリンゴジュース、フルーツ味のアイスキャンディー、野菜スープ、チキンスープをひたすら食べたり飲んだりしていました。
麻酔を打つ前に何か食べておけばよかった!!
分娩開始まで
翌朝、子宮口をチェックすると4cmまで開いていましたが、まだまだ赤ちゃんが降りてきていません。
そこで、赤ちゃんを回転させて降りてこさせることを促進するため、ピーナツボールと呼ばれるひょうたん型をしたバランスボールのようなものを足に挟んだ状態で15分間キープするということを何回か繰り返しました。
子宮口の開きが8cmになったところで促進剤を投与し、その2時間後くらいに全開の10cmになったため、分娩の準備を始めました。
ちなみにこの間は麻酔が効いているので痛みは一切なく、ベッドで寝たきりです。
排泄物も感覚がないまま出ているので、看護師さんがさっと処理してくれていました。
分娩
頭上にあるモニターを観ながら、陣痛が来たタイミングで3回いきみます。
電話の通訳をつけるとどうしてもタイミングがずれるので、ここは英語で直接コミュニケーションをとった方が良いです。
陣痛(contraction)、いきむ(push)の単語を覚えておけば大丈夫!
助産師さんからは、トイレでいきむのと同じようにして、口を閉じるようにアドバイスされました。
3回いきむうち、1回目は8秒間維持、2・3回目は10秒間維持しました。毎回、いきむ前には大きく息を吸います。
上手にいきめると、ドクターが「That’s the push! Good job!」と褒めてくれたり、助産師さんが常に寄り添ってくれたので分娩中に辛いと思うことはありませんでした。
途中、鏡を置いて赤ちゃんが出てくるところを見たいかと聞かれたので、自分の見やすいところに置いてもらいました。
無事産まれると、バースプランで希望した通りへその緒を自分で切り、赤ちゃんの診察が終わった後は胸の上に乗せてカンガルーケアをしました。
日本ではへその緒を切ることは医療行為とされ、医師や助産師にしか認められていません。日本ではできない貴重な経験なので自分で切ったりパートナーにやってもらったりするのはどうでしょうか?
その後はお母さんと赤ちゃんにタグが付けられ、一瞬たりとも別室には行きません。産まれた瞬間から退院まで、母子同室です。
分娩後は部屋を移動
分娩後、落ち着いたら部屋を移動します。内装は分娩室とほとんど変わらないですが、少し狭いです。
分娩室と比較するとソファベッドがなくなって、リクライニングチェアが2つと普通の椅子が1つとなりました。
私の場合、付き添いが夫しかいなかったので問題ありませんでしたが、複数人いる場合は窮屈に感じると思います。
こちらもトイレとシャワーが部屋に付いていました。洗面台に置いてあったアメニティはこちらです。
- 滑り止め付きの靴下(スリッパ代わりに使います)
- くし2種類
- リップクリーム
- 歯ブラシ、歯磨き粉
- マウスウォッシュ
- シャンプー・ボディソープ
このアメニティが入っていたプラスチックの箱は赤ちゃんの沐浴用として使われていたものと同じで、持ち帰り可能です。(持ち帰った後は結局数回しか使っていませんが…)
また、頻繁に授乳をすることになりますが、毎回病室にある枕を何個か積み重ねるのが面倒で大変でした。
荷物に余裕がある場合には授乳クッションを持っていくことをおすすめします。
入院期間
退院するまでの期間は日本と比較するとかなり短く、普通分娩だと出産してから1日、帝王切開でも2日です。
体はもちろんボロボロでしたが割と居心地は良かったので、本当はもう少し入院したかった気持ちはありますが仕方ないです。
退院の手続きのようなものは特になく、寒かったのでチャイルドシートを温めてから退院しました。
退院時、処方箋と一般薬の服用を勧められます。
一般薬についてはCVSでももちろん買えますが、Amazonでジェネリック薬品を買った方が相当安いので、私は2回目以降はAmazonで購入しました。
- Acetaminophen 325mg tablet:CVSだと24錠12ドル、Amazonだと100錠2.5ドル(Amazon商品リンク)
- Polyethylene Glycol 3350:CVSだと7日分の値段で、Amazonだと30日分(Amazon商品リンク)
アメリカの出生届(Birth Certificate)
アメリカで産まれた子供はアメリカ国籍が取れます。
手続きは病院側でしてくれるので、退院するまでに書類に記入するだけでOKです。
元々部屋に置いてあった書類の中にbirth certificateの用紙も入っていて、夜に産んでその翌朝、用紙を回収する係の人が来たので、落ち着いているうちに(生まれる前でも書けるところは)書いておいた方が良いです。
この時点で名前を届けないといけないので、スペルを含めて考えておきましょう!日本みたいに14日も猶予はありません…。
また、11番目の項目の「The parents request that information on this birth be released to the social security administration for issuance of a social security number and card」を「YES」にチェックすると、自動で赤ちゃんのソーシャルセキュリティーナンバー(SNN)が送られてきます。
この項目を「NO」にしてしまうと、必要になった時にソーシャルセキュリティオフィスにわざわざ出向いて手続きが必要になるので、「YES」にチェックしておきましょう。
SSNは3週間以内に普通郵便で届きました。
ちなみに日本の出生届は領事館へ届出が必要です。
病院のサービス(施設・食事)、ニューボーンフォト
ここからは病院のサービスや写真撮影などについてご紹介します。
給湯室、飲み物やアイスが置いてある場所
正式になんと呼ばれている場所かは忘れてしまいましたが、患者とその家族が自由に使える給湯室のような場所が分娩室と産んだ後に移動する部屋の近くにあります。
水やお湯、コーヒーのほか、冷蔵庫には牛乳とリンゴジュース、バニラアイスとフルーツ味のアイスキャンディーが入っており、自由に取ってOKです。
分娩室に来たナースに頼めばなんでも持ってきてもらえますが、来るタイミングまで待ったり、いちいちナースを呼んだりするのも煩わしいので、この部屋に自分で取りに行った方が楽です。
案内するナースによってはこの部屋を案内し忘れてしまうようなので、分娩室に入る前に聞いておくと良いです。
電子レンジもあるので、持ち込んだ食べ物を温めることもできますね!
病院食
意外にも楽しめたのが病院食です。患者本人以外も注文できます。
ただでさえあまり美味しくないアメリカで、しかも病院食なんて期待できないと思っていましたが、病院食だからなのか比較的甘さや脂質が控えめな感じで意外と日本人の口に合うと感じました!
日本の病院のように決まった時間に決まったメニューが配膳されるのではなく、好きなタイミングで好きなものを注文します。
時間は6:30am-7:30pm(6:30am-11:00amは朝食時間)で、電話で注文するスタイルです。
混み合う時間には電話がなかなか繋がらず、提供には45分〜1時間かかるので前もった注文がおすすめです。
料金
患者=妊婦の分は入院費に含まれており、ゲスト(付き添いの人)の分は別料金になります。
- 11時まで5ドル(メイン1つ、サイド3つ、ドリンク2つ)
- 11時以降8ドル(〃)
妊婦の分もメイン1つ、サイド4つ、ドリンク2つと決められてはいますが、厳密ではなく適当した。
一方でゲストの分は数をしっかりカウントしているようでした。
朝食メニュー
サイドメニュー、ドリンク、ソース・ドレッシング類
メイン・スープ
白米もあったので注文してみましたが、全然美味しくなかったので残しました;
足跡スタンプ
ちょっとしたサービスですが、嬉しかったので紹介します。
赤ちゃんのベビーベッドにネームカードが置いてあり、希望すれば足跡スタンプを押してくれます。
私は沐浴をお願いしたときにやってもらいました。
このカードはもちろん持ち帰れるので、忘れずに!
退院時にもらったもの
退院時にはナースが色々くれます。
手渡されたバッグの中には、
- 紙オムツ(パンパース)20枚
- おしりふき
- おしゃぶり2個
- ボトル式の簡易シャワー
が入っていました。そのほかにも、入院時に使っていたものは何も言わなければ捨てられるものばかりなので、必要なものは持ち帰ってOKです。
私はそのほかに、産褥パッドや使い捨てパンツを追加でもらいました。
ニューボーンフォト
病室を外部の写真業者が順番に回っていて、赤ちゃんと(一部親も映った)写真を撮ってくれます。
写真撮影自体は無料で、気に入れば購入するというスタイルです。
業者が来たタイミングが悪ければ、また来てくれますが時間を指定することは難しそうでした。(人によるかも)
写真は全部で12枚あり、枚数と写真の形式(印刷もしくはデータ、または両方)によって値段が変わります。
全部の値段は教えてくれませんでしたが、私たちはデータを購入したのでその価格を記載しておきます。
- 4枚 約150ドル
- 8枚 約180ドル
- 12枚(全部) 約230ドル
その場でクレジットカード支払いをし、数時間後にはダウンロードできるようになります。
データを購入すると、写真を組み合わせたスライドショームービーも無料でダウンロードできます。
誕生日を間違えられたままムービーにされてしまい、問い合わせをしても返事がないので購入前にしっかり確認しましょう…
写真のクオリティとしては、インスタなどで見る写真館で撮るものよりはだいぶ劣りますが、退院後のドタバタして忙しい時にわざわざ赴かなくても病室で撮ってもらえるのは楽だったので後悔はしていません。
私たちは撮影用のドレスを持っていきました。もし一緒に写したい小道具があれば、要望は叶えてもらえます。(基本的にポーズはお任せでした)
ちなみに、写真業者はmom365という会社です。
入院時の持ち物
入院時の持ち物については病院のパンフレットに記載がありますが、自分の経験を踏まえてアレンジしてみました。
※黒字は病院のパンフレットに記載があったもの、赤字は私の経験から追加したものです。
- リップクリームまたはワセリン 部屋にある
- シャンプー 部屋にある
- デオドラント 個室なので私は気になりませんでした
- くし 部屋にある
- ヘアドライヤー
- 歯ブラシ、歯磨き粉 部屋にある(家族の分も頼めばもらえそう)
- スマホの充電器
- カメラ
- ミュージックプレイヤー
- ノートパソコン、タブレット(Wi-Fiあり)
- 自分の枕(病院のものと区別するため枕カバーは無地の白以外)
- ローブ 部屋にある
- ナイトガウン 部屋にある
- 下着 入院中は着ないので1セットでOK
- スリッパ 滑り止め付きの靴下をスリッパ代わり使うのでいらないかも
- 靴下 部屋にある
- 自分と赤ちゃんの服(退院時に着るもの)
- カーシート
- 赤ちゃんの担当医(ミシガン大学病院系列以外にする場合)
- 洗顔用品、化粧水など
- ハンガー
- 授乳クッション→授乳のたびに病院の枕を積み重ねるのが大変だった
- 簡単につまめるスナック類、電子レンジを使う食事類(食事注文ができない夜間用)
- ニューボーンフォトで使う小道具
- 水に濡れてもOKなサンダル(シャワーを浴びたい人)
- 退院時にもらうものをまとめて運ぶ大きいバッグ
まとめ
この記事ではミシガン大学病院で出産した時の経験を記載しました。
最初は不安でいっぱいでしたが、病院で働く人たちはとても親切で優しかったので結果的に楽しく終えることができたと思います。
上の写真は、退院から2日後の生後4日で受診した新生児健診(リボニアヘルスセンター)で、もらったものです。意外と重宝しています。
それではまたお会いしましょう!See ya!!